開発状況

注:開発ステージにかかる記載は今後の開発予定を記載したイメージ図であり、実際は異なる可能性がある
注:1. AMED: 国立研究開発法人日本医療研究開発機構
注:2. NMSS: The National Multiple Sclerosis Society

パイプラインの概要

当社が現在臨床開発を進めている化合物は、ナンブランラト(JPH203)とJPH034の2剤です。

ナンブランラトは、LAT1を標的として見出した新規の低分子化合物であり、LAT1内部のアミノ酸ポケットに競合的に結合することでその活性を阻害します。正常細胞に発現するLAT2には作用せず、LAT1を特異的に阻害します。

クライオ電子顕微鏡(cryo-EM)構造解析
ナンブランラト(JPH203)がLAT1に競合的にドッキングする様子

Adapted from Y. Lee et al., Nat Commun., 2025, 16, 1635.

また、特有の組織分布を示すことから、現在は胆道がん(2次療法および1次療法)ならびに大腸がんを対象とした開発を進めております。さらに、将来的な適応拡大を見据え、希少疾患を対象とする非臨床研究にも着手しております。

一方、JPH034は高い脳内移行性を有する点が特長であり、中枢神経系の自己免疫疾患である再発を伴わない2次性進行型多発性硬化症やグリオーマを対象疾患とした開発を推進しております。
加えて、当社はBest-in-Classを目指す次世代LAT1阻害剤の創薬研究にも取り組んでおり、すでに候補化合物を特定しております。これにより、ナンブランラトおよびJPH034に続く新たな成長ドライバーを確立し、持続的な事業拡大を目指して取り組んでまいります。